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昨今、在宅医療で使われる医療機器の種類も増えていますが、機器によっては患者さんの体を圧迫して褥瘡が発生してしまうことがあります。これを、MDRPU(医療関連機器褥瘡)と言います。
在宅医療でMDRPUが発生してしまっては、患者さん自身の苦痛はもちろん、訪問看護師さんやご家族さんの負担も増えてしまいます。
発生前にしっかりと予防対策をとることが重要です。
今回は、在宅医療においてMDRPUが発生しやすい医療機器とその原因・対策方法についてご紹介いたします。
●在宅でのMDRPU好発機器
在宅でのMDRPU好発機器をランキング別でご紹介いたします。
4位以降は、順に「NPPVフェイスマスク」「気管切開カニューレ」「医療用弾性ストッキング」「下肢器具」でMDRPUが多く発生しています。
【一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会 会報27巻3号(2023)「在宅療養者における医療関連機器圧迫創傷の有病状況とケアの現状;全国指定訪問看護ステーションの実態調査」から引用】
●上位3機器での発生原因・対策
▼発生原因
尿道留置カテーテルの使用は、在宅では長期にわたることが多く、MDRPUが発生しやすい状況です。特に多い部分はカテーテルを沿わせている下腹部や大腿部などです。カテーテルによって肌が圧迫されることで、びらんや水疱などのMDRPUが発生してしまいます。カテーテルが同じ方向に引っ張られ続けることによって、尿道口が圧迫されて、潰瘍や瘻孔が形成される場合もあります。
▼対策方法
圧迫が生じない固定を検討しましょう。
◎尿道口:同じ方向に圧力が加わり続けないように、定期的に固定位置を変更しましょう。
◎下腹部・大腿部:皮膚からカテーテルを浮かせられるようにテープをΩ固定にしたり、おむつの締まりで圧迫が強まっている場合もあるのでおむつのサイズやあて方を見直しましょう。他にも、家にあるガーゼやタオル、ハンカチなどを巻いて圧迫を和らげる方法もあります。
▼発生原因
在宅では、胃ろうを作られている患者さんも多いと思います。胃ろうカテーテルは、本来は外部ストッパーと体表の間に10~15mm程度のあそびがあって自由に上下可動・回転ができる状態が理想です。あそびがなくなって皮膚に接触・圧迫が加わり続けるとMDRPUが発生しやすくなってしまいます。
▼対策方法
外部ストッパーと体表の接触を防ぐために、ティッシュのこよりやY字に切り込みを入れたガーゼ、コットンなどを挟む方法があります。
瘻孔からは消化液等の漏れも生じるため、水分が染み込んだガーゼなどが長期間皮膚に接触し続けないように定期的に観察、交換しましょう。
▼発生原因
頬や耳介は長期にわたって酸素カニューレが接触するため、MDRPUが発生しやすいです。また耳介のMDRPUはカニューレだけでなく、ネーザルハイフローや酸素マスクの紐、サージカルマスクの紐など耳に掛けて使用する機器全般でリスクがあると言えます。
▼対策方法
粘着剤のついているクッション材を器具に巻き付けて保護することで、圧迫軽減ができます。
今回はココロールミルを使用しています。
●MDRPU専用クッション材「ココロールミル」
今回ご紹介した方法以外にも、MDRPU専用クッション材を使用すると簡単にMDRPU対策が可能です。「経鼻酸素カニューレ」の対策方法で紹介したココロールミルは、肌ダメージの極力少ないシリコーンゲル粘着剤と高性能クッション素材を使用し、快適・確実に対策可能です。
今回ご紹介した方法以外にも、ココロールミルを使用したMDRPUの対策方法を資料にてご紹介しております。よろしければご覧ください。
《資料名》ココロールミル 貼り方ガイド