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Ω固定・オメガ留めとは? 通常固定と比べて、約39%も固定力が高まる場合も

「Ω固定・オメガ留め」とは?

医療・看護の現場でほぼ毎日行われる“テープによる固定”。
チューブやガーゼなどの固定したいものに応じて様々な固定方法がありますが、各種チューブ・カテーテルのルート固定には、最近は「Ω(オメガ)固定」がよく使われます。
Ω固定・オメガ留め

チューブを肌から少し浮かせた状態でテープ固定しますが、浮いた部分のテープの粘着面同士を貼り合わせて“足”のような部分を作ることで、通常の固定よりもチューブをしっかり固定することができます。
Ω固定のしかた

貼った状態の断面を見たときに、テープの形が「Ω<オメガ>」に似ていることからΩ固定と呼ばれています。
(Ω留め、Ω貼り、Ω止めなどとも呼ばれます)
記事中イラストΩ固定

Ω固定は、通常の固定と比較して「チューブへの粘着面積が広くなること」と「あそびになる“足”の部分ができること」から、身体の動きなどによって万一チューブが引っ張られたときにも、肌やチューブからはがれにくく、固定にすぐれていると言われます。

さらに、通常の固定では肌に直接チューブが当たり続けるため痛みや創傷につながる危険性がありますが、Ω固定をすることでチューブが直接肌に触れないため、痛みや創傷(医療関連機器圧迫創傷・MDRPU)のリスクも少なくなります。


「Ω固定」の固定力はどれくらい?

Ω固定が固定にすぐれるという話はこれまで医療現場でも言われていますが、実際に通常の固定との固定力の違いが数値化された事例はほとんど見られず、実際の効果もわかりにくいところです。

そこでskinixでは、Ω固定の固定力の効果をわかりやすく検証した試験を実施しました。
院内でΩ固定を標準化するときなどには、参考情報としてもぜひお使いください。

約39%*強い力で引っ張っても抜けない、Ω固定(*最大値)

Ω固定の効果を検証するため、通常の固定とΩ固定の固定力を引っ張り試験機という機械で測定しました。
試験は、肌を模した板にチューブをテープ固定し、真上方向にチューブを引っぱって固定がはずれてしまう(テープがはがれる・テープがちぎれる・チューブが抜ける)ときの力の大きさを測定しています(固定力の単位はN・ニュートン)。
数字が大きければ大きいほど、固定力が大きく、はがれにくいということになります。真上に引っぱる比較

使用したテープは3種類。
写真左から、紙素材のテープ、プラスチック素材のテープ、不織布素材のテープです(すべて25mm幅のものを使用)。
3種類のテープ

●測定結果●
すべての種類のテープで、「Ω固定のほうが固定力は高い」という結果でした(下グラフ)。
特に差の大きいプラスチックテープでは、通常の固定と比較して約39%も強い力で引っぱってもはずれないことがわかります。

記事中グラフ(自社調べ)

上記はあくまで1つの試験結果ではありますが、患者さんがチューブを引っぱってしまったり、ベッド柵に引っ掛けてしまったりと、不意に力がかかってしまうリスクのある場面では、「Ω固定」を用いてチューブなどを固定するのが望ましいのではないでしょうか。

 


skinixには、Ω固定の原理を利用した経鼻チューブ固定専用のテープがあります。
「クリアホールド ほほテープ」はΩ固定しやすい専用形状で、抜去リスクが心配な経鼻チューブをしっかり固定します。
透明素材なので貼ったまま肌の観察もでき、フィルムだから水にも強く、貼りごこちも快適です。

クリアホールド_完成


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※試験結果は実測値であり、保証値ではありません。

※テープの種類やメーカー、貼付のしかた、貼付期間、貼付時の気温や体温などで固定力試験の結果は大きく異なることが予想されます。Ω固定をしているかどうかに関わらず、チューブへの固定力が十分かどうかよく確認してください。

※本ページの著作権はskinixが保有しますが、著作権法上認められている引用などの利用について制限はございません。引用の際は、下記のように出典を明記してください。
例)出展:skinix公式webサイト「“Ω固定・オメガ留め”とは? 通常固定と比べて、約39%も固定力が高まる場合も」https://www.skinix.jp/wisdom/howto/1593/
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