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テープの角を丸くする理由とは?はがれを防ぐ「角丸・角R」
看護現場ではテープのはがれを防ぐため、テープの角を丸く切る「角丸」「角R(かどあーる)」がよく実践されています。
角丸の効果について、実践的に実感している方は多いと思いますが、これまで具体的に検証し公開されている事例はほとんど見当たらないため、角丸の実際の効果をわかりやすく検証する試験を実施しました。
角丸に関する知識ややり方とともに、院内でのテープ処置の標準化の際などに参考情報としてぜひお使いください。
角丸・角Rとは?
「角丸」とは、テープの角を落とすように丸くカットすることです。「角R(かどあーる)」ともいわれます。
角Rの「R」は英語のRadiusの頭文字で、半径を意味しています。看護現場では厳密な半径を設定することはほとんどありませんが、紙や金属などの加工では3mm・5mmなど半径を設定して行われます。
細いテープの場合は半径3mm程度、フィルムドレッシングなどで大きく覆う場合は半径20mm程度で角を丸くカットします。丸くする半径はテープの大きさや固定するものに合わせて調整します。
カットされた形状で販売されているテープの場合、はじめから角丸になっていることがほとんどです。
角丸の効果
看護現場での実践において、角丸の効果は「テープがはがれにくくなること」だと言われています。
テープがはがれる原因は、テープの端に力がかかるときの「粘着面積の違い」にあります。テープを拡大して見てみましょう。
角がある場合、テープの端に力がかかったとき、角を中心に90°の面積だけで貼り付いていることになります。
対して角丸の場合、テープの端に力がかかったとき、角を中心に180°近い部分の面積で貼り付いていることになります。このため角がある場合と比べて、角丸のほうが粘着面積が格段に広く、テープははがれにくくなります。
※イメージ図
実際に、角がある場合と角丸の場合で、はがれやすさにどの程度の違いが出るかを比較してみました。
実験条件:30mm×30mmの布粘着テープを、角丸10mm・角丸5mm・角ありにカットして貼付
■ 貼付後、すぐ
■ 貼付後、1日間経過
実験の結果、この写真の通り角丸のほうがはがれにくかったことがわかります。
臨床で使用されるよりも小さめにカットし、入浴・着替えなどのテープがはがれる原因となりやすい行動も実施したためか、顕著に効果があらわれました。
※テープの種類やメーカー、貼付のしかた、貼付期間、貼付時の気温や体温、貼付中の過ごし方などで試験の結果は大きく異なることが予想されます。
テープをはがれにくくしたい場合は、角丸にするのが良いでしょう。
また、フィルムドレッシングなどの薄いテープの場合、角がある場合は貼付時に角が浮きやすくなります。角丸にすれば貼付時の角の浮きを少なくすることができ、よりはがれにくくすることができます。
角丸のやり方とポイント
角丸のやり方とポイントです。
■ 準備
良く切れるはさみを使いましょう。はさみの汚れをしっかり拭き取っておきます。
テープは、テープを使用する目的に合うものの中から、できれば剥離紙が付いたものを選びましょう。剥離紙が付いていない直巻き(じかまき)のテープの場合、粘着面を何度も触ることになってしまい、衛生面・作業性の悪さからあまりおすすめしません。
■ 切り方
まず必要な大きさにカットし、次に角を丸くカットしていきます。
はさみを持った手は回転させず、テープを回転させながらゆっくり一定のペースで切るようにすると、きれいに切れます。
■ 貼り方
いつも通り、テープを貼ります。
■ その他の方法
「角丸パンチ」という文具を使う方法もあります。コーナーパンチ、コーナーカッターなどとも呼ばれ、文具店で購入することができます。
※厚みのあるテープややわらかいテープの場合、切れないことがあります。テープを使用しても問題ないか事前に確認してください。また、テープの粘着剤が付着すると切れ味が悪くなることがあります。
テープの角を丸く切ってから使用することで、テープははがれにくくなります。
角丸に関する知識ややり方について、院内でのテープ処置の標準化の際などに参考情報としてぜひお使いください。
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(例)
出展:skinix公式webサイト「テープの角を丸くする理由とは?はがれを防ぐ「角丸・角R」」
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